本作は、大槻ひびきのエロティックな肢体や性行為が堪能できる良作である。特に、最後の方に出てくる騎乗位での激しい腰振りにはそそられる。
カメラワークやライティングも申し分ない。大槻の肢体がすぐ近くにあるかのようである。男優は体格が良いが、女優の姿を遮ることもない。
ただ、話の設定や筋立てには突っ込み所がかなりある。「好きでもない男と結婚させられた」とあるが、家庭の事情はあるにせよ、自分が決断して結婚した訳である。
夫婦間の性交だから、不倫とか強姦とは異なる。性行為そのものも、それほど異常ということはなく、暴力的でもない。ちょっと嫌そうなのは、夫の尻の穴をなめさせられることくらいか。夫は、容貌魁偉ではあるが、その物腰は紳士的ですらある。しいて言えば、夫の性欲が異常に強く、妻への独占欲・支配欲や猜疑心も並外れている、ということであろう。
最後の場面で、夫婦間の性交が終わったとたん、訪ねて来た妻の両親が部屋に入ってくる、というのも珍妙だ。
とはいえ、映像の良さ、女優のエロティックさは、そうしたシナリオの欠点を補って余りある。最後に付け加えれば、近時の諸作品に比べて、モザイク処理が丁寧で良い。