ある夏の日のこと。
私は、暑さから逃げるように、個室ビデオ店に入った。
気に入ったDVD7本を手に、私は部屋に入り一息つく。
5時間の長丁場を前に、私は覚悟を決めた。
7枚目まで、果てるのを我慢すると。
1本目のDVD、つまりこの作品をプレーヤーに入れた。
プレーヤーの心地よい起動音に呼応するように、テレビ画面に官能的な世界が広がる。
そこにあったのは、女性の美しい体と、健気に恥じらう姿だった。
「恥ずかしい」と笑顔を浮かべながら、体を隠す大和撫子。
それは欧米列強の女性にはない、メイドインジャパンの恥じらいだった。
美しい...。
私はそう思った。
恥ずかしいと言いながらも、体を隠しながらも、女性はカメラの前に立っている。
責任感なのか、使命感なのか。
日本人とは、なんと奥ゆかしい人種なのか?
私は感動にも似た興奮を覚えながら、テレビ画面と対峙していた。
6人目の女性が現れた。
名前は「りん」。
同業者の他の女性と比べて、特別可愛いわけではない。
しかし、彼女の日本女性らしからぬ乳房の大きさと、スラリと伸びた手足は、私の冷静さを失わせるには充分だった。
彼女は両腕を下ろし、いわゆる「気をつけ」の姿勢をしている。
次の瞬間、男の指が、りんの乳首に接触した。
彼女は体をよじりながら、微笑みを浮かべながら、困惑している。
困惑しながらも、「いや」とは言わない。
なぜ、逃げない?なぜ、カメラの前に立つ?
責任感か、使命感か。それとも単純に喜んでいるのか。
私は困惑した。困惑する彼女が、私を困惑させる。
画面が切り替わり、彼女は両腕を頭の後ろに組んでいる。
強調された乳房がとても官能的だった。
次の瞬間、男の指が、彼女の乳首をとらえた。
...この姿勢で、乳首を攻めるのか!?
私は動揺した。この姿勢で責められる彼女の姿は、想像しただけで恐ろしかった。
彼女はより一層、体をよじらせる。
左右の乳首が可愛がりを受ける度に、彼女は痙攣にも似た反応を見せる。
しかし、彼女は立っている。
まるで、リングに立つボクサーのように、彼女は立ち続けている。
次の瞬間、私は気づいた。
「...果てる?おれはここで果てるのか?!」
リングに立つ彼女を見上げながら、私は開始30分も経たないうちに、KOされた。
7枚目で果てるという当初の目標は、泡と消えた。
しかし、私は幸せだ。